さる3月3日の討論会には、ご参加くださり、大変活発な議論を盛り上げてくださりありがとうございました。科学教育、物理教育に関心を持つ方々が、さまざまな形で取り組んでおられる様子を含めて、一堂に会して話し合いを持つ機会を待ち望んでいた、といったコメントもいただきました。いまさらながら、多くの方々が関心を持っておられることに心強く思っております。特に、今回、現場の高校の先生方、博士を取った後高校で教えておられる先生や、先生をしながら博士号を取得した方々、それに大学院生やポスドクの方々が沢山集まってくださり、「今後教育の仕事に情熱を傾けたい」といった声もあって、これからそのキャリアパスをどのように構築するか、キャリアセンターとしての方向を見定める必要があることを痛感しました。おそらく参加者の皆さんのほとんどの方が、意見を言い残したままになったと思われます。
確かに、この討論会は、多少盛りだくさんではあったのですが、理科教育をめぐるさまざまな問題をできるだけ問題をだして、今後の議論の基礎にしたいという企画でした。この討論会を通じて出てきたご提案や問題提起は、来年度は持続的に1つ1つの問題を掘り下げつつ、キャリアパスの実現への具体的方策を追及することが望まれます。そのためには皆さんのお気持ちが覚めやらない前に、ご意見を伺いそれを実現していきたいと思っております。
今回の討論会は、参加人数72名もあり、最初に思ったより、若い人が参加してくださったことが、なんと言っても成果でした。この時期は、高校教員の先生方は卒業時期で忙しい中でしたが、それでも「午前だけ」とか「午後だけ」とか言う形で、沢山の教員が参加くださいました。博士で高校教員として昨年4月から教壇に立ち始めた人、夜間の高校で教えながら「まちかどサイエンス塾」を主催している人、大学院生で、これから教育分野で自分の人生をささげたいという人など、いろいろな若い人の姿が印象的でした。一方、物理教育委員会の村田委員長をはじめとして、物理教育のプロとして貢献された第1世代といわれる方々がリーダー役として豊富な経験と蓄積を背景に議論をリードしてくださいました。 そして学会員の中に如何に沢山の方々が、さまざまな場面で理科教育に関わっておられるか、お互いに知ることができました。そして、すでに各地でいかにたくさんのネットワークを作っておられるかを確認することができました。今後は、このネットワークを全国に広げ「科学教育のルネッサンス」にむけてアクションプランを立てること、そのために物理学会として取り組みを強めていくのが任務だと思われます。
物理教育の未来に向けてネットワークづくりまず、何よりも、分散しているこの取り組みのエネルギーを1つの力にしていくため、「物理教育ネットワーク」を形成することが大切だと思います。そこで、ネットワークメンバーは個人と団体の両方があるので、個人メンバーと団体メンバーから構成されると思います。 そこで、今回のお集まりの皆さんを中心にして、ネットワークメンバーを登録し、この間での活動の交流から始めてはどうかと思っています。
また、キャリアセンターの仕事として、2008年度の企画として、以下のことを検討することからはじめたいと思います。
① ネットワークの組織化 ② テーマごとの戦略研究会 ③ 物理教育プロに向けての合宿形式勉強会 ④ 物理教材の発表会(今回のポスターセッションの発展形)皆さんのお知恵を集めて日本の教育の復権に向けて、博士人材を活用することが目標になると思います。 具体的なご提案をどんどん出してくださり、この3月3日の討論会を今後に生かしていくためにご協力をお願いします。今回の企画に対して、予想外に多くの皆様のご出席を頂き、会場が狭くてご迷惑をおかけいたしました。またそのこともあり盛りだくさんの内容になり、1つ1つのテーマについて十分深めることができませんでした。多くの方々が、もっと意見がいいたかったという思いを持ったまま三回になったのではないかと思います。近いうちに、次の企画に向けて皆さんにおはかりいたしますので、どうかご協力をお願いします。
最後に、この大変込み入った盛りだくさんの企画を実行するために、総括マネージャ鈴木さんをはじめとして取り組んでいただいたこと、基礎物理学研究所のスタッフの皆様の全面的なご協力をいただいたこと、また、プロジェクトマネージャの谷口さんが会の進め方を検討くださり、パネル討論のリーダーになっていただいたことを申し添えておきます。本当にありがとうございました。
キャリア支援センター長 坂東昌子