For Postdoctors and Societies
背景
「ドクター」の活躍の場は、研究機関だけではありません。

科学技術と社会の関わりが深化・多様化する中、博士号取得者等の高度な専門性を有する人材は、 大学等の研究機関以外にも多様な方面に職を得て、その能力を活用することが期待されています。 しかし、現実には企業の人的な要求とのミスマッチなどもあり十分には活躍の場が与えられていないと 考えられ、日本の理工学分野の研究開発体制の問題のひとつとして認識されております。


採択
物理学の資質を持つ人材の活用

日本物理学会は、文部科学省が国からの委託を受けて平成18年度より実施している 「科学技術関係人材のキャリアパス多様化促進事業」の 平成19年度分に応募して採択されました。

物理学会の計画する事業はその名称が「物理学の資質を持つ人材活用のためのキャリアパス開発全国展開」であり、東京大学、金沢大学、お茶の水女子大学、神戸大学大学院人間発達環境学研究科の4つの機関と連携して遂行される予定です。

本事業には昨年度採択分を合わせて12の機関があたることになりますが、当学会以外はいずれも 大学か独立行政法人の研究所です。当学会は物理学の研究者を横断的に組織するものであり、 この立場を活かして独立した機関の取り組みとは異なった視点からの事業展開を図る予定です。

事業趣旨
幅広い活躍の場を、様々なネットワークで、限りなく広いフィールドへ

キャリア支援センターでは、物理系博士課程出身の高度な知的人材が社会により貢献・活躍できるために、以下のような活動をします。

1)知的人材の活躍の場の調査・開拓
2)幅広いニーズに応じた柔軟に対応できる若手の育成
3)1)を踏まえ、研究指導現場の意識改革の普及活動
4)知的人材の資質と能力等の情報データベース・情報ステーション構築
5)教育、知財、IT、科学行政その他の諸分野へポスドク等の知的人材が社会に貢献できる方策の研究・検討を行い、成果を公開する。

これらの取り組みについては、皆様からご意見を伺いながら、その目的を達するためのシンポジウムや研修会を日本各地で催すつもりです。そして、より多くの機関や組織、学会に連携機関として加わっていただき、協力できる体制をつくり、全国展開していく方針です。

日本物理学会が、科学技術人材のキャリア多様化支援事業に取り組む意義は、単に若い人材の活用の道を開く、有能な若手に多様な職業領域へ進出するための支援を行う、という意味にとどまりません。この事業に学会として自ら取り組むことによって、より豊かな物理学の領域へ、物理学の力をより多様な分野で発揮し、自ら21世紀の新しい物理学のあり方を探ることへとつながっていければと考えています。そのためには、シニア会員の皆様のお知恵をぜひお借りしたいと考えています。今回の事業が、このような方向への契機になれば、日本物理学会にとってこれほど幸せなことはありません